
【伊勢市】意匠性の高いクリアー塗装!難付着サイディングに対応するおすすめ塗料【解説動画あり】
リペイント匠の久保です。
今日は「難付着サイディングの塗装」についてお話したいと思います。
外壁の塗装を考えるときに、「難付着サイディング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。あまり馴染みがない方も多いと思います。実はこの外壁材、見た目が綺麗で耐久性が高い一方で、普通の塗料がうまく密着せずに、すぐに剥がれてしまうという特徴があります。
たとえば、表面に無機コーティングや光触媒が施された外壁に、通常の塗料を塗った場合、早ければ翌日に剥がれることもあるんです。場合によっては、1年もたたないうちにボロボロになってしまうこともあります。
だからこそ、どんなに高性能な塗料を使っても「塗る相手を間違える」と意味がなくなってしまう――そんな注意喚起のためにも、今回は難付着サイディングに対するクリヤー塗装について、実際にどんな塗料が使えるのか、見分け方や施工時のポイントを含めてお伝えしていきたいと思います。
これから外壁塗装を検討している方、あるいはご自宅の外壁が「10年以上経っても劣化していない」という方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
難付着サイディングとは?基本と注意点
「難付着サイディング」という言葉自体、一般の方にはあまり知られていません。ですが、実はこの外壁材、ここ10年〜15年ほどで新築時に多く使われてきたものの一つです。
難付着サイディングというのは、表面に無機のコーティングや光触媒のコーティングがされている外壁材のことを指します。このコーティング、紫外線を防いだり汚れを付きにくくしたりと、本来は外壁の耐久性や美観を保つために施されているものなんですが、実はこれが塗装の際に大きな問題になるんです。
一見すると普通のサイディングと変わらず、表面もきれいに見えるため、ぱっと見では「問題がある」とは感じにくいかもしれません。しかし実際には、表面に無機コーティングや光触媒コーティングがされていることで、塗料が密着しにくく、「普通の塗料ではすぐに剥がれてしまう」という厄介な特徴を持っています。
たとえば、どんなに高品質な塗料を使っても、適切な下地処理や塗料の選定を間違えると、塗装後すぐに剥がれてしまうケースがあります。早ければ翌日、遅くても1年ほどで剥がれてしまうことがあるのです。「良い塗料を使えば大丈夫」と思われがちですが、難付着サイディングに関してはどんなに良い塗料でも“密着しない”ため、無意味になってしまうんです。
私たちも実際にそうした事例に対応することが多く、「これは塗ってもすぐダメになってしまうパターンだな」と感じるケースがあります。
※過去動画で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
難付着サイディングに使えるクリヤー塗料とは?
難付着サイディングの中には、「意匠性(デザイン性)が高くて綺麗だから、できれば上からクリヤー塗装で保護したい」というケースもあります。しかし、こうしたサイディングには表面に特殊なコーティングがされているため、すべてのクリヤー塗料が使えるわけではないというのがポイントです。
特に、光触媒コーティングがされている外壁材については、使えるクリヤー塗料が限られます。間違った塗料を選んでしまうと、せっかくの仕上がりが早い段階で剥がれてしまうこともあり得ます。
ここでは、実際に使えるクリヤー塗料や、それぞれの適合条件についてご紹介していきます。
アステック スーパーSDクリヤーF-JY
難付着サイディングに対応したクリヤー塗料として、まず紹介できるのがアステックの「スーパーSDクリヤーF-JY」です。
この塗料は、一般的な難付着サイディングに対しては対応している製品で、アステックの資料にも対応と書かれています。
ただし注意点として、光触媒が施されているサイディングには対応していません。つまり、外壁の表面が光触媒処理されている場合には、この塗料を使うと剥がれのリスクがあるということです。
キクスイ ロイヤルセラクリヤー
光触媒コーティングがされている難付着サイディングにも対応できるクリヤー塗料が、キクスイの「ロイヤルセラクリヤー」です。この製品は、正式には「セラムセラミック」というシリーズ名で展開されており、現在のところ光触媒対応のクリヤー塗料は、ほぼこれ一択といってもよい状態です。
ロイヤルセラクリヤーはシリコン系の塗料ではありますが、光触媒のサイディングにも使用できる数少ないクリヤー塗料です。そのため、おしゃれな意匠サイディングにクリヤー塗装を施したいと考えていて、なおかつ光触媒が施されている可能性がある場合は、このロイヤルセラクリヤーを選ぶのが安心です。
クリヤー塗装をする際の下地処理と施工の注意点
クリヤー塗装を行う際には、下地の状態をしっかりと整えることが非常に重要です。
たとえば、外壁に欠けや補修跡がある場合、そのままクリヤーを塗ってしまうと、光の反射によってかえって傷やムラが目立ってしまうことがあります。
特に新築時に補修された箇所などでは、簡易的に塗料が塗られているだけのケースが多く、10年ほど経過するとその跡が浮き出てくることもあります。こうした場合には、きちんと調色をして、色や質感を整えてからクリヤー塗装を施すことが大切です。
また、カビやコケ、水分などが付着している状態で塗装するのも避けるべきです。そういったものが残ったまま塗装すると、仕上がりが悪くなるだけでなく、後々塗膜の浮きや剥がれの原因になる恐れもあります。
下地のボコボコ感や表面の汚れは、クリヤー塗装によってむしろ強調されることがあります。だからこそ、事前にしっかりと洗浄し、必要な補修を施しておくことが、仕上がりの美しさと耐久性を保つためには欠かせません。
クリヤー塗装後の見た目を確認する簡単な方法
クリヤー塗装を検討している場合、「実際に塗ったらどんな仕上がりになるのか」が気になる方も多いと思います。そんなときにおすすめなのが、ホースなどで外壁を水で濡らしてみるという方法です。
壁に水をかけると、表面の色がぐっと濃くなってツヤが出るのがわかります。この“濡れたような見た目”が、実はクリヤー塗装をした後の仕上がりに近いのです。
あくまで簡易的な確認方法ではありますが、「このサイディングにクリヤー塗ったらどんな感じになるんだろう?」とイメージしたいときには、手軽で分かりやすい方法といえるでしょう。
もちろん、実際の塗装とは完全に同じにはなりませんが、「どのくらい色味が変化するか」「表情が濃く見えるようになるか」といった点は、事前に確認しておくことで失敗を防ぐ助けになります。
重ね塗りの注意点と塗膜の劣化リスク
クリヤー塗装に限らずですが、塗りすぎ=良い仕上がりと思っていると、かえってトラブルになることがあります。特にシリコン系のクリヤー塗料は塗膜が硬いため、重ね塗りしすぎると割れや膨れの原因になることがあります。
たとえば、最近では「4回塗り」「5回塗り」といった施工方法を聞くこともありますが、なんでもかんでも重ねれば良いというものではありません。
もちろん、下塗りがしっかり入っていて、中塗り・上塗りを丁寧に行うための重ね塗りなら問題ありません。しかし、塗った上からさらに重ねていくような施工になると、塗膜が硬くなりすぎて割れてくる可能性が高まります。
いい塗料ほど性能が高く、硬さが出るため、その分だけ施工方法にも気を遣う必要があります。そのため、塗る回数だけで判断せず、下地との相性や仕様書に従った正しい施工が重要になります。
クリヤー塗装におけるシーリングの施工
クリヤー塗装を行う際は、シーリング(コーキング)の「後打ち」が基本となります。
透明の塗膜を塗るクリヤー仕上げでは、施工後にシーリングを打たないと、塗膜が剥がれてしまう原因になるためです。そのため、クリヤー塗装では塗装後に丁寧にシーリングを仕上げる「後打ち」が推奨されているのです。
また、見た目の仕上がりを大きく左右するのが、シーリング材の色選びです。
たとえば、茶系の外壁に真っ白なコーキングを使ってしまうと、そこだけが目立ってしまい、デザイン性が損なわれてしまいます。クリヤー仕上げでは塗膜が透明であるぶん、コーキングの色がそのまま透けて見えるため、外壁に合わせて違和感のない色を選ぶことが重要です。
こうした細部の調整が、見た目の美しさや仕上がりの満足度に直結するポイントになります。
難付着サイディングの見分け方と対処法
外壁の塗装を検討する際に、「うちのサイディングって難付着かどうかわからない」という方は多いと思います。ぱっと見た感じでは普通のサイディングと大きな違いがなく、専門家でも見分けが難しいケースも少なくありません。
そこで大切なのが、判断の目安となるチェックポイントを押さえることです。
特に気をつけたいのは、築10年ほど経っているにもかかわらず、チョーキング(白い粉のようなもの)が出ていない外壁。また、汚れや色褪せもほとんどなく、全体的にきれいな状態が保たれている場合は、難付着サイディングの可能性が高いといえます。
「意外と綺麗だから、塗り替えはまだ先でいいか」と思ってしまうかもしれませんが、実はそこが落とし穴。そういう場合こそ、「塗料が付着しにくい特殊な外壁材」かどうかを慎重に見極める必要があります。
図面の確認とメーカー問い合わせで判断する
難付着サイディングかどうかを確認する方法として、まず行ってほしいのが建築時の「外壁仕様図面」を確認することです。お住まいの新築時の図面が残っていれば、その中に使用された外壁材の製品名や型番が記載されている場合があります。
たとえば、「ケミュー」製のサイディングであれば、「レジュール」や「ネオロック」など、難付着仕様の製品名が明記されていることもあります。こうした記載があれば、難付着サイディングの可能性は高くなります。
また、製品名や品番がわからない場合でも、メーカーに問い合わせて確認するという方法も有効です。「この品番の外壁材は光触媒ですか?無機コーティングされていますか?」といった形で、直接確認することで確実な判断が可能になります。
難付着サイディングであるかどうかを知らずに通常の塗装をしてしまうと、高確率で塗膜の剥がれや施工不良が起こります。だからこそ、施工前に必ず図面やメーカー情報で確認を取ることが大切です。
劣化が見えない外壁こそ慎重に剥離テストを
築10年ほど経っているにもかかわらず、チョーキングが出ていなかったり、汚れや色あせもなく全体的にきれいな状態が保たれている外壁は、難付着サイディングである可能性があります。見た目がきれいだからといって、何の確認もせずに通常の塗料を塗ってしまうと、塗膜が密着せず、早期に剥がれてしまうリスクがあります。
そのため、そういった“綺麗すぎる外壁”の場合は、まず疑ってかかるぐらいの意識が必要です。自分で判断がつかない場合は、私たちのような専門業者に依頼して、強溶剤を使った剥離テストを行うことをおすすめします。
この剥離テストでは、試験的に小さな範囲に塗料を塗り、しっかり密着するかどうかを確認します。テスト結果に応じて適切な塗料や下塗り材を選定することで、塗膜の早期剥がれを防ぎ、長期的な耐久性を確保することができます。
まとめ~伊勢市の外壁塗装・屋根塗装のことなら
本記事では、難付着サイディングへのクリヤー塗装について詳しくお伝えしました。
見た目がきれいな外壁でも、実は塗料が密着しにくいコーティングが施されている場合があり、通常の塗料では剥がれの原因になります。塗装を行う前には、外壁の種類をしっかり確認し、必要に応じて剥離テストを行うことが大切です。
また、塗料の選定や下地処理、シーリングの色合わせなど、細かな部分まで丁寧に対応することで、仕上がりの美しさと耐久性を両立できます。
「うちの外壁ももしかして…」と気になった方は、自己判断せず、外壁診断の専門家に一度相談してみてください。正しい知識と対策で、大切なお住まいをしっかりと守りましょう。
リペイント匠では、LINEでの無料相談や現地調査も承っております。お気軽にご連絡ください。三重県伊勢市をはじめ、志摩市、津市、亀山市、四日市市、松阪市、鈴鹿市、伊賀市、いなべ市、名張市を中心に三重県全域が施工範囲です。
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